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2011年インド・バドリナース バドリナート寺院物語 
 ~バドリナート寺院~

 ガンガリアから雨で滑りそうな岩場を馬で降りる。怖いと思い始めたら本当に怖い!・・・が、大丈夫だと信じていると何ともない。来た道を無事に戻り、やがて聖地バドリナースへ。ホテルに到着後、部屋の窓を開けて真正面に見えたニーラカンタ山の美しさは息が止まるほどだった。すぐに雲がかかってしまい、次に気づいた時には見えなくなってしまっていたが、神様の「よう来たな~。待ってたで!ほな、ちょっとだけ見せよか?」だったのだろう。

 その翌日、バドリナート寺院へ参拝に行った。敷地内に温泉が湧いている大きなお寺だった。このお寺はシャンカラがいたお寺で、主神はシャンカラが安置したという伝説がある。もっとも参拝者が多い聖地とされているバドリナースのお寺だけあって、連休の伊勢神宮並みの人ごみだった。そのシャンカラが瞑想していたお堂で、超忙しい現在の管長さんが私たち日本人グループのために祈祷の時間をとって下さった。狭い小さなお堂で、私たちはまたぎゅうぎゅう詰めに入り、小さくなって正座をして管長さんが来られるのをじーっと待った。祈祷はほんの数分だった。そして、その後の出来事だった!

 シャンカラのお堂から出て来て、何となく広場で待っていたら、K先生が「自分(他人を指す時にも“自分”と言う)と、自分と、自分と、自分がお供え物持ってね。」とたまたま近所にいた私を含む4人を指した。何が何かわからないうちに、向こうから大きなお供え物が4つ運ばれて来た。たくさんのお花を盛った皿や布を盛った籠などが用意されていたが、私が持ったのはたくさんのお菓子を盛った大きな銀皿だった。かなり重たかった。それを持って本堂に入るまで1時間近く並んで待った。このお寺は、寄付が多い人から先に参拝できるそうだ。H先生は「ただの荷物持ちだからね!」と言った。だが、その後、インド人ガイドのRさんが向こうからやって来て、「タダノニモツモチデハアリマセン。カミサマガ、ジブンヲオセワシテホシイヒトヲエラビマシタ。」とこっそり言った。それを聞いた瞬間、涙が一気にドーッと溢れた。胸が熱~くなった。持ってるお供え物を守ることが一番だったので、涙は垂れ流し状態だった。そういうことだったのだ!

 前回のマナリの旅で、「神様にすべて任せてしまえばこんなに楽に過ごせるんだ!」、「神様はずっと遍在していて、ずっと守ってくれているんだ!」ということを知ってしまって以来、私なりにヨーガに取り組んできた。毎日ヨーガをしたい気持ちはあっても、しんどい時はサボり、眠い時はサボり、しょっちゅう「今日も怠けました。すみません・・・。」だった。それでも、出来る範囲でアーサナ、呼吸法、瞑想に取り組み、聖典の勉強会に参加し、マントラを唱えたり、神様のことを考えたり、と本当に“私なり”だったが、それでもちゃんと神様は見てくれていた。自分のペースだが、無理せず取り組んできた3年間の成果に対して神様がご褒美をくれたのだ。こんな形で私に教えてくれるなんて、予想外の展開だった。神様は何て粋なことをされるのだろう・・・!これは、自分たちがお供えを持つ係に選ばれた・・・というような自慢話では決してなく、そういう出来事を起して、私にまた新しい気づきを与えようとしてくれた神様はなんて慈悲深いのだろう!今回、私はたまたまこういう形で気づきをもらったが、他の方たちもそれぞれ、様々な形で気づきをもらっているはずだ。私は「もうこれで充分だ!」と思った。これを知るためにここまで来たのだ。人と比べてどうだ・・・ではなく、自分がやったらやった分だけ、ちゃんと神様はご褒美をくれる。その時、「カイラスに行ってもいいんだ!来年行こう!」と思った。

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                    バドリナート寺院
by chitrankita | 2012-04-30 19:36 | インド修行会

チトランキータのブログ               平井真理子・・・日本ヨーガ療法学会認定ヨーガ療法士 2002年よりヨーガ指導開始。 ヨーガセラピークラス、マタニティヨーガなど神戸~西宮を中心に活動中。
by chitrankita