ネパールからラサに入り、高度順応訓練を乗り越え、やっとカイラスに向けて移動の日々が始まった。ここからはランドクルーザーに3人ずつ乗り組み、ゆったりと連なるカイラス山脈の間を延々と走り続けた(私は乗ってるだけだが・・・)。カイラスの山々はいつも優しい顔をしていた。今まで見たり訪れたりしたどこの山とも違う顔だった。

山があって、そのふもとには河が絶えずゆったりと流れていて・・・、当たり前であるはずの景色が、こんなに新鮮に心をうっとりさせるとは・・・。ただただ気持ち良くて本当に飽きることがなかった。あるべき自然の姿が人の心を豊かにする・・・。そのまんまだけど、自然に包まれるとはこういうことなんだろう。











河口慧海のチベット旅行記にしょっちゅう出てくる“ブラフマ・プトラ川”はカイラス山が源流で、そこからいくつも枝分かれしながらも、ガンジス川へと続くらしい。私たちも何度もブラフマ・プトラ川の側を走っていた。私にとっては壮大な気持ちのいい河だったが、河口慧海はこの大きな氷の張る河を凍死しそうになりながら渡っていた。
by chitrankita
| 2012-08-21 22:13
| チベット・カイラス巡礼